【アルバムレビュー】奥田民生「GOLD BLEND」の感想・おすすめポイント

      2019/05/29




奥田民生の分岐点。

 

どうも!

奥田民生ファン歴26年のエフジューです。

今回はこちらのアルバムをご紹介します。

 

奥田民生

『GOLD BLEND』

発売日:2000年3月23日

 

アマゾン評価 ★★★★★

5つ星のうち 4.8

 

収録曲

 01.荒野を行く
 02.マシマロ
 03.彼が泣く
 04.羊の歩み
 05.たったった
 06.ウアホ
 07.GOLDENBALL
 08.KING of KIN
 09.イオン
 10.ときめきファンタジーⅢ
 11.ふれあい
 12.近未来
 13.トロフィー

 

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奥田民生の分岐点

ソロ5枚目のアルバム。

シングル「マシマロ」収録。

ユニコーンデビューから前作「股旅」までは「いいメロディーを作る事」に重点を置いてきた印象ですが、この頃から方向性が変わっていきます。

それは「作品志向」から「演奏志向」への方向転換です。

 

「作品志向」から「演奏志向」へ

「レコーディングで作品を残すこと」「ライブで演奏すること」

ミュージシャン活動の2本柱のうち、この頃から「ライブで演奏すること」に重点をシフトし始めます。

そうすると「自分が繰り返し演奏して楽しい曲=シンプルな曲の方がいい」という発想になるわけです。

実際、このアルバムからのシングル「マシマロ」とか、メロディーの展開がほとんどないですからね。

アルバム収録の他の曲も、およそポップとは言い難い曲の割合が増えてます。

(「たったった」「ウアホ」「ふれあい」)

 

おそらく民生の作るメロディーが好きだったファンの多くは、このアルバム以降だんだんついていけなくなったと思います。

しかし一方で、「演奏する事の楽しさ」という新しい価値を提供する、希少なミュージシャンになったのも事実なんですよね。

この方向性が、現在の奥田民生の独特の立ち位置に繋がってます。

 

 

 

何かを捨てると何かが手に入る。

人生はトレードオフだなあ。

 

以下は2006年頃のインタビューの抜粋です。

最初はビートルズ的なスタジオワークや、そういう作品を残すのにも憧れて色々やったんですが、でも元々細かい性格じゃないし・・・。やっぱり実際、旅しながら何度も曲を演奏する方が楽しいですよね。そうすると徐々に曲も「ライブであんまりめんどくさいのは嫌だな」とか「コードが多いのもめんどくさい」と思うようになる訳で(笑)、それは演奏力が自分についてきたっていうのがないとできないんですが。
で、やっぱり良い曲を、とか良い音でっていうことに・・・、限界があったね、性格的に!(笑)「それを死ぬまで追求するんじゃないだろう、俺は」っていう感じですかね。良い音で録るっていのは、全然才能ないですし、自分に何ができるかっていうのが哀しいかな段々分かってきて、何となくこうなってるって感じはあると思うんですけど。でもそれは自分の中での流行でもありますし、作品志向みたいのがまた沸き起こるかもしれない。

 

個人的には「作品志向」と「演奏志向」のバランスが最も良かったのは、前作の「股旅」だと思いますね。

 

 

このアルバムの聴きどころ

・楽曲のタイプが幅広く、バラエティーに富んでいる。

・キーボード斉藤有太さんが、かなりフィーチャリングされている。オルガンソロ2分とかもある。笑

・メロディーはシンプルになりつつあるが、実はコード進行が凝ってる & 変。

・本人いわく「ジャズ」を意識したとの事。そう言われると確かにそういうエッセンスが入ってる。

 

※ 各曲の再生ボタンをクリックで試聴できます。試聴は無料です。

1.荒野を行く

荒野を行く
奥田 民生
¥250

リズムの元ネタはビートルズ「GET BACK」

歌詞の世界感は「あくまでドライブ」と共通するものがあるが、こっちの方がより不安な感じ。

「この道、俺、行くけど大丈夫か?」みたいな。

 

Get Back
ビートルズ
¥250

 

2.マシマロ

マシマロ
奥田 民生
¥250

「マシマロは関係ない」という反則技を発明したシングル曲。

元ネタはポリスの「Next To You」? 当時のツアーでもマシマロと続けてカバー演ってたし。笑

さらにエンディングでベンチャーズ「Walk Don’t Run」が混ざってくる。

 

Next to You
ポリス
¥250

 

Walk, Don’t Run
ザ・ベンチャーズ
¥150

 

 

3.彼が泣く

彼が泣く
奥田 民生
¥250

シングル「月を超えろ」と同じ方向性で、さらにエネルギーを増した曲を入れたかった、との事。

マシマロのエンディングから間髪入れずこの曲が鳴り始める瞬間は「うおおお」ってなる。

 

4.羊の歩み

羊の歩み
奥田 民生
¥250

「死」を意識した曲。タイトルのつけ方が秀逸。

年取ってから聞くと、さらにせつない…。

 

5.たったった

たったった
奥田 民生
¥250

歌なんて何でもいいんだ! という「これは歌だ」の続編的な内容。

歌メロはおよそポップとは言い難いが、味のある演奏が聴きどころ。

 

6.ウアホ

ウアホ
奥田 民生
¥250

実験作。

実はハードロックばりの激しい演奏が裏で小さーく鳴っている。

 

7.GOLDENBALL

GOLDENBALL
奥田 民生
¥250

ゴールデンボールって。笑

インストをアルバムに入れるのが夢だったらしい。

 

8.KING of KIN

KING of KIN
奥田 民生
¥250

菌の話からジミヘンへの飛躍がすさまじい。

間奏やエンディングの展開はユニコーンの芸風に近い。

 

9.イオン

イオン
奥田 民生
¥250

「イオン」をテーマに歌詞を書くかあ……。

結構じわじわ来る、スルメ曲。

 

10.ときめきファンタジーⅢ

ときめきファンタジーⅢ
奥田 民生
¥250

ゲームを題材にしてるが、チョイスが古い。

2000年当時の時点で、すでに古い。笑

 

11.ふれあい

ふれあい
奥田 民生
¥250

これも実験的な曲。歌詞がエロい。

3/4と5/4を繰り返す変拍子から、サビは4/4にさりげなく変わっている。

 

12.近未来

近未来
奥田 民生
¥250

このアルバムで最もポップチューン。

シングル候補だったらしいが「マシマロ」がタイアップが決まってそっちになったらしい。

 

13.トロフィー

トロフィー
奥田 民生
¥250

アルバムラストは、1曲目の「荒野を行く」と双璧を成す曲。

やや不安げな「荒野を行く」に対し、「トロフィー」は『いいから行くぞ! なめんなよ!』って感じ。

最後のフェイドアウトは「to be continued →」を表している。

 

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まとめ

というわけで、「イージュー★ライダー」「さすらい」的なものを期待すると拍子抜けすると思います。

とは言え、最近の曲と比べると「まだこの頃はマジメに作ってるなあ。」という感じがしますね。笑

本人も「この頃がメロディー作りのピークw」とインタビューで言ってましたっけ。

 

 

このアルバムのツアーDVDも出てます。

パッケージは金髪ですが、本編は黒髪です。笑

 

 

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